地震や台風などの災害が発生した際に、太陽光発電が使えなくなるのではないかと不安に思う方は多いはずです。停電が長引けば、冷蔵庫やスマートフォンの充電など、日常生活や生命維持に関わる機能が停止してしまいます。
太陽光発電が災害によって使えなくなるリスクはありますが、適切に運用・管理すれば災害時でも活用することが可能です。自立運転機能を備えたシステムであれば、停電中でも太陽光によって発電した電気を、特定の家電に供給できます。
この記事では、災害時に太陽光発電が使えるのか、そのメリットや活用のポイントについて解説していきます。災害リスクへの備えを検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
なお、以下では、関東エリアで太陽光パネルを設置しているおすすめの施工業者をまとめているので、参考にしてください。
災害時に太陽光発電は使えるのか?

結論からいえば、自立運転機能を備えた太陽光発電システムであれば、停電時でも発電した電気を利用できます。
通常、太陽光発電システムは電力会社と連系し、発電した電気は家庭で使用しながら余剰分を売電する仕組みとなっています。しかし災害によって停電が発生すると、安全面の配慮から自動的にシステムが停止します。
ここで活躍するのが、自立運転モードです。自立運転では、太陽が出ている時間帯に限り、専用のコンセントから最大1.5kW程度の電力を取り出すことが可能です。
これによって最低限の生活インフラは確保できるため、非常時の電気確保に効果的です。ただし、蓄電池がない場合は夜間の使用ができないため、昼間限定の利用となります。
太陽光発電が使えなくなる要因

太陽光発電は災害時でも使えますが、以下の要因によって使えなくなる可能性もあります。
それぞれの要因について解説していきます。
太陽光パネルの破損
災害時に太陽光発電が使用できなくなる要因の1つに、太陽光パネルの破損があります。地震や台風、飛来物による物理的な衝撃でパネル表面が割れたり、フレームが歪んだりすることがあり、発電効率の低下・停止を招く可能性があります。
太陽光パネルは耐久性を備えているものの、強風による飛散物や落下物の直撃には耐えられない場合があります。破損した状態で使用を続けると、火災や感電といった二次災害の危険性も否定できません。
こうした破損がみられる場合は、太陽光発電を使わない方が安全と言えるでしょう。
パワーコンディショナの故障
パワーコンディショナは、太陽光パネルで発電された直流電力を、家庭で使える交流電力に変換する装置です。この機器が正常に作動しなければ、発電した電力を使用できなくなります。
地震や落雷、浸水といった自然災害により、内部回路や冷却ファンが損傷することで故障に至るケースがあります。古い機種やメンテナンスが不十分な設備では、災害時にそのリスクが高まります。
また、自立運転機能もパワーコンディショナに依存しているため、故障時は非常用電源としての役割も果たせません。
電力会社の系統停止
電力会社の系統が停止すると、災害時に太陽光発電が使えなくなります。通常、太陽光発電システムは電力会社の送電網と接続され、電気の供給と売電を自動的に切り替える「系統連系」方式で運転されます。
しかし、災害によって系統側の送電が停止すると、発電した電気が送電線に逆流するリスクを防ぐために、システムが強制停止します。これは、復旧作業中の作業員の感電事故を防ぐための措置であり、法令でも定められた安全機能です。
そのため、停電時には発電できていても通常の使用はできず、あらかじめ自立運転機能が備わっていない限り電気の利用は制限されます。
発電効率の低下
災害時に太陽光発電を活用しようとしても、発電効率の低下により十分な電力を確保できない場合があります。台風や地震の影響で、パネル表面に泥や落ち葉が付着すると、太陽光を十分に取り込めず発電量が下がるおそれがあります。
また、強風や揺れによってパネルがずれたり破損したりすると、システム全体の効率が著しく損なわれることになるでしょう。悪天候が長期間続けば、日照時間が不足し発電そのものが困難になるケースもあります。
このように、太陽光発電は自然条件に大きく左右される特性があるため、非常時でも最大限活用するためには、定期的な点検とメンテナンスが欠かせません。
災害対策として太陽光発電を設置するメリット

太陽光発電システムは、災害時の対策としても効果があります。具体的なメリットは、以下の通りです。
それぞれのメリットについて解説していきます。
停電時にも電気が使える
災害対策として太陽光発電を導入するメリットの1つは、停電時にも電気を使用できる点にあります。電力供給が停止しても、自立運転機能を備えた太陽光発電システムであれば、太陽が出ている時間帯に限り、生活に必要な電気を確保することが可能です。
これにより、以下のような最低限の電力を使用できることで、避難所に移動することなく自宅での生活を続けられる安心感が生まれます。
- スマートフォンの充電
- ラジオ
- 照明
- 電気ポット
特に、乳幼児や高齢者がいる家庭では、電力の確保が健康と安全に直結するため、その重要性は非常に高いといえます。災害時においても一定の生活水準を保つ手段として、太陽光発電の導入は大きな価値を持ちます。
医療機器を稼働できる
災害時に停電が発生すると、在宅医療を受けている方や持病を抱える方にとっては、生命維持に直結する医療機器の停止が重大な問題となります。
そこで太陽光発電を導入し、自立運転モードや蓄電池を併用することで、停電中でも医療機器を稼働させることが可能です。日中に太陽光で発電しながら、必要な医療機器に電力を供給できる点は、災害対策として有効です。
連絡・情報収集が可能
災害時には、正確な情報の把握と連絡手段を確保することが、身の安全を守る上で重要です。太陽光発電を導入していれば、停電中であってもスマートフォンや携帯電話の充電が可能になります。
これにより、行政からの避難情報や天気予報、交通状況などをリアルタイムで確認できます。また、家族や知人との連絡ができれば、安否確認や支援要請も行えるため、精神的な安心感も得られます。
特に長期化する災害時には、情報が遮断されることが二次被害を招く要因となるため、電力の確保は命綱ともいえる備えと言えるでしょう。
食料の保冷・温度調整ができる
災害時に長時間の停電が発生すると、冷蔵庫や冷凍庫が使えず、保存していた食料が傷んでしまうリスクがあります。しかし、太陽光発電システムを設置していれば、冷蔵庫への電力供給が可能となり、食料の鮮度を維持することが可能です。
災害時は物流が滞り、食料の再確保が困難になることも多いため、家庭に備蓄された食材を無駄にしないことが大切になります。
また、夏場や冬場など気温が極端に変化する時期においても、扇風機や電気毛布など消費電力の少ない家電を活用すれば、最低限の温度調整が可能です。こうした快適性の確保は、体調管理やストレス軽減にも寄与します。
自立運転モードとは?

自立運転モードとは、太陽光発電システムに備えられた非常用の電力供給機能です。災害などにより停電が発生した際に、太陽光で発電した電力を家庭内の一部機器に供給できます。
通常、太陽光発電は電力会社の送電網と連系しており、停電時には感電事故防止のため自動的に停止します。しかし、自立運転モードに切り替えることにより、電力を専用コンセントから利用可能となります。
これにより電力需要をまかなえるため、災害時の安心感を高める機能として注目されています。
通常運転との違い
太陽光発電システムには、通常運転と自立運転という2つのモードが存在します。
通常運転では、発電した電力を家庭内で使用しつつ、余った分を電力会社に売電します。このモードは系統連系と呼ばれ、商用電源との接続が前提です。しかし停電が発生すると、自動的に発電が停止します。
一方、自立運転モードは災害などによる停電時に発動可能な機能で、パワーコンディショナに搭載された専用コンセントから直接電力を取り出します。最大出力は1.5kW程度に限られるものの、小型家電の使用には十分対応できます。
ただし自立運転では系統との接続が遮断されており、発電量は太陽光の照射量に依存するため、夜間や悪天候下では使用できない点に注意が必要です。
自立運転モードへの切り替え手順
自立運転モードへの切り替えは、基本的に自動ですが、一部機種では手動での切り替えが必要になるケースもあります。手動の場合、ブレーカーを「切」にして家全体への電力供給を停止します。
次に、パワーコンディショナ本体にある自立運転スイッチを操作し、自立運転モードに切り替えます。その後、専用の自立運転用コンセントに家電を接続することで、太陽光で発電された電気を使用可能です。
このとき、使用できる電力は最大1.5kW程度に制限されるため、同時に使用する家電は消費電力の少ないものを選ぶ必要があります。なお、夜間や曇天時は発電ができないため、日中の活用が前提となります。
災害時以外で太陽光発電を導入するメリット

災害による停電時に活躍する太陽光発電ですが、災害時以外の平時でも以下のようなメリットが期待できます。
それぞれのメリットについて解説していきます。
電気代を削減できる
災害時の備えとして注目される太陽光発電ですが、平常時では毎月の電気代を削減できるメリットがあります。昼間に太陽光で発電した電気を自宅で使用することで、電力会社から購入する電力量が減少し、電気料金の抑制につながります。
特に電気代が高騰している昨今において、太陽光発電における自家消費は家計の節約に直結します。
電力の使用状況や契約プランに応じて、年間で数万円単位の削減も十分可能です。太陽光発電は災害時の備えだけでなく、日常の経済効率を高める手段としても有用です。
余剰電力を売電できる
家庭で使用されなかった電力を売却することで、電気料金の軽減や収入の確保につながります。日中に在宅時間が短い家庭では、消費量が少ない分、売電量が多くなる傾向にあります。
売電単価は制度や時期によって異なりますが、発電量が安定していれば、年間を通じて一定の売電収入が見込めます。また、売電制度が終了した後も、自家消費を増やすことで電力会社から購入する電気を減らせるため、長期的な電気代の削減が可能です。
エコ住宅としての資産価値が高くなる
太陽光発電の導入は、災害時の備えとしてだけでなく、平時においても住宅の資産価値を高める効果があります。再生可能エネルギーの活用は、エコ住宅としての評価につながり、不動産市場においても注目されるようになります。
新築・中古を問わず、太陽光発電を備えた住宅は環境配慮型住宅として位置づけられ、将来的な売却時や賃貸時においても、優位に働く可能性があります。また、光熱費の削減が見込める点や、環境負荷の軽減といった社会的意義も評価されやすくなります。
このように、太陽光発電の導入は長期的な視点で見たときに、資産としての住宅価値を維持・向上させる手段と言えるでしょう。
将来の電気料金高騰リスクに備えられる
太陽光発電の導入は、日常生活における電気料金の上昇リスクへの備えとしても有効です。
近年、燃料価格の変動やエネルギー政策の影響により、電気料金は不安定な推移を見せており、将来的な値上げの可能性も否定できません。こうした状況下で、太陽光発電を自宅に設置すれば、日中の電力を自家発電でまかなうことが可能です。
これにより、電気代の上昇による家計への影響を最小限に抑えられるというメリットがあります。
太陽光発電の効果を最大限に活用するポイント

太陽光発電の効果を最大限に活用するには、以下のポイントを押さえる必要があります。
それぞれのポイントについて解説していきます。
日射量が確保できる位置にパネルを設置
太陽光発電の性能を引き出すには、日射量を最大限に確保できる位置にパネルを設置することが重要です。周囲に高い建物や樹木があると日陰ができ、パネルの発電効率が低下します。朝から夕方にかけての日照を遮る障害物があると、発電量は少なくなるでしょう。
理想的な設置方位は南向きで、角度も地域の緯度に応じた最適な傾斜が求められます。また、屋根の構造や形状によって設置面積が制限される場合は、専門業者による現地調査が重要です。
日射量に恵まれた環境で適切に設置されたパネルは、安定的な電力供給に貢献します。
蓄電池を組み合わせる
太陽光発電は日中にしか発電できないという特性があり、夜間や悪天候時には電力供給が困難です。そこで蓄電池を導入することで、昼間に発電した電気を蓄えておき、必要なタイミングでの使用ができるようになります。
災害時や停電時には、太陽が出ていない夜間でも電力を確保できることから、非常時の備えとしての価値が高まります。日中は太陽光、夜間は蓄電池といった形で電力の自給自足に近づけることで、より安定した生活基盤の確保につながります。
太陽光発電のメリットを最大化したい場合は、蓄電池の導入を視野に入れてみましょう。
電力変換効率の高いパワーコンディショナを選ぶ
パワーコンディショナは、太陽光パネルで発電された直流電力を家庭で使用できる交流電力に変換する役割を担っています。この変換時にロスが生じるため、効率の低い機種では発電量の一部が無駄になってしまいます。
変換効率が高い機種を導入すれば、同じ量の発電でも多くの電力を家庭内で有効活用でき、光熱費の削減や売電収益の向上につながります。高性能なパワーコンディショナは故障リスクが低く、長期的な信頼性にも優れています。
太陽光発電の導入効果を確実に得るためには、パワーコンディショナの変換効率や耐久性にも注目し、信頼性の高い製品を選定することが必要です。
HEMSで電力使用状況を見える化する
HEMS(ホーム・エネルギー・マネジメント・システム)は、家庭内の電力使用状況をリアルタイムで「見える化」するシステムであり、いつ・どこで・どの程度の電力が使われているかを把握できます。
これにより、太陽光で発電した電力を自家消費するタイミングを見極め、無駄な買電を減らすことが可能です。さらに、蓄電池との連携によって余剰電力の有効活用も促進され、災害時の備えとしても高い効果を発揮します。
電気代の削減とエネルギー自給率の向上を図る際は、HEMSを活用したエネルギー管理を検討してみましょう。
定期的なメンテナンス・点検を行う
太陽光パネルは長期間にわたり屋外に設置されるため、以下のような要因によって発電効率に影響を及ぼすことがあります。
- 経年劣化
- 汚れ
- 落ち葉の付着
- 台風や地震による損傷
災害時でも確実に電力を確保するには、日頃からシステムの健全性を維持することが重要です。定期点検では、パネルの破損や配線の緩み、パワーコンディショナの動作状況などを確認し、必要に応じて清掃や修理を行います。
これにより、突発的なトラブルを未然に防ぎ、災害時にも安定した発電が期待できます。
神奈川県で太陽光発電の設置におすすめの業者3選

最後に、神奈川県でおすすめの太陽光発電の販売・施工業者を3つ紹介します。
それぞれの業者について解説していきます。
みらいソリューション株式会社

みらいソリューション株式会社は、神奈川県での太陽光発電導入におすすめの業者です。
項目 | 詳細 |
---|---|
会社名 | みらいソリューション株式会社 |
所在地 | 〒336-0931 埼玉県さいたま市緑区原山1-2-1 |
電話番号 | 048-764-8969 |
公式HP | https://miraisolution-hiroto.com/ |
埼玉県に本社を構えながら、神奈川県全域でサービスを展開しており、特に横浜市、川崎市、横須賀市などで豊富な施工実績を有しています。
みらいソリューションでは、初期費用0円プランの提供により、導入時の経済的負担を軽減できます。補助金申請に関しても、各市町村の制度に精通したスタッフが無料でサポートを行っており、申請手続きの煩雑さを軽減することが可能です。
さらに、アフターサービスも充実しており、定期的な訪問や迅速なトラブル対応を通じて、長期的な安心を提供しています。
みらいソリューション株式会社について詳しく知りたい方は、こちらの記事も合わせて御覧ください。
みらいソリューション株式会社についてさらに詳しく知りたい方は公式HPでも確認できます。
株式会社日本エコシステム

株式会社日本エコシステムは1997年の創業以来、全国で46,000件以上の太陽光発電システムの販売・施工実績を持ちます。
項目 | 詳細 |
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会社名 | 株式会社日本エコシステム |
所在地 | 〒279-0002 千葉県浦安市北栄4-8-3 コムシス浦安ビル4F |
電話番号 | 047-709-3516 |
公式HP | https://www.j-ecosystem.co.jp/ |
日本エコシステムでは、設置前の現地調査と発電シミュレーションに基づく提案が可能です。また、施工からアフターサービスまで一貫して対応し、最長10年の施工保証を提供するなど、顧客の安心を重視した体制を整えています。
さらに、蓄電池やオール電化、V2Hシステムの導入にも対応しており、総合的なエネルギーソリューションを提供しています。
株式会社日本エコシステムについて詳しく知りたい方は、こちらの記事も合わせて御覧ください。
株式会社サンドリア

株式会社サンドリアは、関東エリアで約10,000件の施工実績を誇り、神奈川県内で多くの住宅に太陽光発電システムを導入しています。
項目 | 詳細 |
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会社名 | 株式会社サンドリア |
所在地 | 〒101-0054 東京都千代田区神田錦町2-9 大新ビル3F |
電話番号 | 03-5217-0330 |
公式HP | https://solar.sandoria.link/ |
太陽光発電システムの導入からアフターサポートまで一貫して対応し、パナソニックやシャープなどの主要メーカー製品を取り扱っています。また、オール電化製品も提供しており、家庭のエネルギー効率を高める提案が可能です。
さらに、補助金の申請手続きや施工後のメンテナンスにも対応しており、顧客からの評価も高いです。
株式会社サンドリアについて詳しく知りたい方は、こちらの記事も合わせて御覧ください。
まとめ
太陽光発電は、災害時における停電対策として有効です。自立運転モードを活用すれば、停電中でも最低限の電力を確保することが可能です。
また、冷蔵庫の稼働や温度調整機器の利用により、食料の保存・体調管理といった生活の維持にも役立ちます。ただし、天候やパネルの汚損などにより発電効率が低下する場合もあるため、定期的な点検とメンテナンスは不可欠です。
太陽光発電は平時・有事の両面で、家庭のエネルギー自立を支える有力な選択肢といえるでしょう。